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全身清拭の目的 知っておきたい注意点と効果

2024年06月18日

全身清拭とは一体何を指すのでしょうか?その基本概念や主な目的について解説します。

清拭がなぜ重要なのか、その意義を考えてみましょう。

全身清拭の目的 知っておきたい注意点と効果

全身清拭とは何か

全身清拭(ぜんしんせいしき)とは介護や医療の現場において、身体を温かいタオルなどで拭くことによって、清潔を保つためのケア手法です。

特に、自身で入浴が難しい高齢者や病状が重い患者に対して行われます。

全身清拭は単に身体を清潔に保つだけでなく、皮膚の健康維持や精神的なリラックス効果も期待できます。

全身清拭の主な目的

全身清拭の主な目的は、患者や介護対象者の身体を清潔に保つことです。

入浴が難しい場合でも皮脂や汗、角質を取り除くことで皮膚の衛生状態を保ちます。

また全身清拭により血行が促進され、特に寝たきりの方にとっては褥瘡(じょくそう)の予防にも役立ちます。

さらに皮膚の観察や異常の早期発見が可能になるため、健康管理にも繋がります。

精神面でも快適感やリラクゼーション効果が期待でき、患者とのコミュニケーションを深める機会ともなり得ます。

全身清拭の効果について

全身清拭は複数の効果があります。

まず、皮膚の清潔を保つことで感染のリスクを低減させます。

特に高齢者や病気の患者は皮膚がデリケートなため、清拭によって皮膚疾患の予防が可能です。

また、血行促進による新陳代謝の向上やリンパの流れをスムーズにする効果も期待できます。

精神的にもリラクゼーション効果があり、ストレスの軽減や安心感を与えることができます。

最後に、ケアを行う側とのコミュニケーションが深まることで精神的な信頼関係が築け、その結果、患者の生活の質が向上します。

どのような場合に行うのか

全身清拭は、様々な場合に行われます。

まず、入浴が困難な高齢者や長期入院中の患者に対して行われます。

これには、体力が低下している方や手術後で動けない方、特定の病気や障害で入浴が難しい方が含まれます。

また、介護施設や病院では、日常の衛生管理として定期的に全身清拭が行われます。

さらに、緊急時や災害時など通常の入浴設備が使えない状況でも全身清拭は有効です。

目的は身体の清潔を保つことによる健康維持、皮膚トラブルの予防、および快適さの提供です。

全身清拭の頻度とタイミング

全身清拭の頻度とタイミングは、個々の状況やニーズに応じて異なります。

一般的には入浴が難しい場合、週に2〜3回の全身清拭が推奨されます。

ただし、患者の体調や皮膚の状態、季節などによっても調整が必要です。

例えば、夏場は汗をかきやすいため、清拭の頻度を増やすことが多いです。

また、体調が悪化したり特別なイベントや来客がある場合は、タイミングを調整することも重要です。

適切な頻度とタイミングを見極めるためには、患者や介護者とのコミュニケーションが不可欠です。

全身清拭の手順

全身清拭の手順は、効果的かつ安全に行うために重要です。

適切な準備と技術を持つことが求められます。

以下に基本的な手順と注意点を紹介します。

基本的な手順の説明

全身清拭の基本手順は以下の通りです。

まず、環境を整えるために部屋の温度を適温にし、患者が快適に横になれる場所を用意します。

次に、吸水性の良いタオルや清拭用ミトンを準備し、ぬるま湯に浸してしっかりと絞ります。

まず顔から始め、次に首、上肢(腕)、胸部、腹部、背部、下肢(脚)、最後に足と上から下へ順に拭いていきます。

各部位を丁寧に拭き、必要に応じてタオルを交換します。

終わったら体をしっかり乾かし、必要ならば保湿剤を塗布します。

そして患者の体位を整え、清潔な寝具や衣服に替えます。

部位ごとの清拭方法

部位ごとの清拭方法には、それぞれの特徴に応じた注意点があります。

まず顔は目元から優しく拭き、次に口元や鼻の周りを清潔にします。

首や肩は血行が悪くならないようになでるように拭きます。

上肢や下肢は、手足の指一本一本も丁寧に拭き、特に関節部分はしっかりと行います。

胸部と腹部は呼吸に合わせてリズミカルに拭くと、心地よさが増します。

背中は、特に寝ている場合に汗がたまりやすい部分なので、しっかり拭きます。

最後に足は足裏や指の間も忘れずに清拭し、乾燥しやすい部分への保湿も行うと良いでしょう。

清拭中のコミュニケーション

清拭中のコミュニケーションは非常に重要です。

これにより、患者の安心感や信頼感が向上し、心理的なストレスも軽減されます。

まず、清拭を始める前に、どの部位から始めるかやその手順を説明し、納得してもらうことが大切です。

清拭中は患者の体調や気分を観察し、適切に声をかけることが求められます。

例えば、「寒くないですか?」や「ここが痛いですか?」などの質問をすると、患者のニーズを把握しやすくなります。

また、褒め言葉や温かい言葉も励みになります。

これにより、コミュニケーションを取りながら信頼関係を築き、安心して清拭を受けてもらうことが可能となります。

清拭後のケアについて

清拭後のケアも重要なプロセスです。

まず全身の拭き取りが終わったら、患者が乾燥しないように体をしっかりと拭き取り、清潔なタオルで肌を押さえ乾かします。

その後、必要に応じて保湿クリームを全身に塗布し、特に乾燥しやすい部分(肘や膝、かかとなど)には念入りにケアを行います。

また、清拭後には体温の変動に注意し、寒さを感じないように暖かい毛布や寝具で包みます。

最後に、患者の体位や寝具を整え、快適な状態にして終わります。

すべてのケアが終わった後には患者の状態を再度確認し、不快感や異常がないかを見守ることが大切です。

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