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「拘縮(こうしゅく)」とは?原因・種類・よくないケア方法・正しいケア方法などを解説
2023年12月28日
介護にたずさわる人は「拘縮(こうしゅく)」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
寝たきりなどが原因で筋肉が縮んだりすることで、関節が固まってしまう症状のことを「拘縮」と呼んでいます。
では、この拘縮はいったい何が原因で発症するのでしょうか。
また、正しくケアするためにはどうすればいいのでしょうか、あるいはやってはいけないケア方法があるのでしょうか。
この記事では、拘縮について、その概要や適切なケア方法を中心に詳しく解説します。
介護に携わる方は、ぜひご参考にしてください。

拘縮とは
病気などで長い間体を動かさないでいたために、関節周囲の軟部組織、たとえば筋肉や皮膚などの伸縮性が失われて固くなり、関節の動きが制限されることが「拘縮」の定義です。
拘縮があると本人は手足の関節を動かすと同時に痛みが発生します。
その結果、本人がつらい思いをするだけではなく、介護にたずさわる人にも負担が増加してしまうでしょう。
原因
筋や腱、皮膚、関節を覆っている関節包などが縮んだところにコラーゲン線維が絡みつくのがおもな原因ではないかとされています。
あるいは、運動しないことによる筋力の低下も原因の1つのようです。
拘縮の種類
拘縮には、以下の5つの種類があります。
1.筋性拘縮
寝たきりの病気になった場合や骨折などで関節を長期間固定した場合などに発症するのが特徴です。
2.皮膚性拘縮
手術ややけどなどが原因で皮膚がひきつるため、関節の動きがわるくなります。
3.神経性拘縮
脳神経の病気の後遺症による筋肉のまひが原因として考えられるようです。
4.結合組織性拘縮
じん帯や腱膜(けんまく)、腱(けん)などの収縮により、手指が曲がってしまいます。
5.関節性拘縮
関節の組織の炎症や傷のため関節が動かなくなるようです。
よくないケア方法
ケア方法を間違えるとかえって拘縮がすすんでしまいます。
よくないケア方法の例をご紹介しましょう。
その1.無理な離床
「離床(りしょう)」とは、寝たきりの人が全身の機能が低下するのを防止するため、時々ベッドを起こすことです。
しかし、無理に車椅子に乗せたり、ベッドを起こしたりすると、それが拘縮の原因になる場合があります。
その2.不適切なポジショニング
座る時寝る時の基本的な姿勢が「ポジショニング」です。
患者にとって不快で危険を感じるポジショニングは不適切なポジショニングであり、拘縮の原因となります。
その3.介助の基本ができていない
患者への触れ方や接し方などといった介護の基本ができていない場合も拘縮になることもあります。
各部位の正しいケア方法
拘縮は正しいケア方法で発症を防いだり改善したりすることが可能です。
体の各部位の正しいケア方法をご説明しましょう。
その1.首
枕の位地や大きさ、硬さが適切で、首の後ろにすき間がないかなどをチェックします。
すき間があれば、タオルなどを押し込んで調節しましょう。
その2.肩
肩甲骨が寄って上半身が反ってすき間がある場合は、そのすき間にクッションを入れて補正しましょう。
その3.腰
腰が反ることにより、骨盤が前傾して呼吸をさまたげ、全身の筋肉が緊張してしまいます。
腰の後ろにすき間があれば、膝を曲げてタオルなどを入れ、すきまがないよう調整しましょう。
その4.ねじれ
ねじれがあると息苦しさを感じ、筋肉の緊張が生じてしまいます。
睡眠時に首がねじれていると感じた場合は、ねじれをやさしく戻し、タオルなどで調整しましょう。
その5.体のゆがみ
体がねじれることが原因で痛みを感じ、筋肉が緊張することもあります。
体にゆがみがあれば、片足ずつゆっくりと膝を曲げるなどして、骨盤などのゆがみを調整しましょう。
その6.すき間
マットレスなどのすき間があると、寝たり座ったりしている時に体の一部分に圧力がかかって、拘縮の原因となります。
拘縮部を無理なく動かすコツ
強引に患者の手足を動かすと逆に拘縮になってしまう場合があるようです。
円滑に拘縮部を動かすコツをご紹介しましょう。
1.握った手を開くコツ
タオルで腕を支えて上半身の緊張をとき、やさしく親指のつけ根を開き、人差し指から順番に伸ばしていきましょう。
2.膝を開くコツ
足首の内側にそっと手を入れて、足先を10センチほど静かに開きます。
タオルなどをはさみ、いったん開いた足先が閉じないようにするとよいでしょう。
3.わきを開くコツ
急に肩を外側に開くと関節を痛めてしまいますし、手首を強くつかむと骨折してしまう場合もあります。
腕をゆっくり円を描くように外側に回すとよいでしょう。
まとめ
この記事では、拘縮の概要や、拘縮の不適切なケア方法、逆に適切なケア方法などについて、詳しく解説してきました。
患者が痛がったり不快に感じたりすることなく、やさしく行うのが拘縮ケアの基本です。
睡眠時や着座時の正しいポジショニング、適切なケアを日頃から心がけて実践するようにしましょう。
患者が快適でリラックスした生活がおくれることは、患者にとっても介護にたずさわる人にとっても幸せなことです。