お役立ちコラム
column
訪問看護師の役割は?その需要動向から仕事の内容、望まれるスキルなどを解説
2023年09月25日
訪問看護師の役割は、利用者の家や施設を訪問して看護を提供することです。
少子高齢化の影響などで、訪問看護師の役割は年々重要性が高まってきています。
そこで、この記事では訪問看護師の仕事の内容やスケジュール、やりがいなどについて解説します。
訪問看護師をめざす方は、ぜひご参考にしてください。
訪問看護師の需要動向
病気や障害があって在宅で療養している人々に看護を提供し、それらの人々の生活を支えることが訪問看護師の目的です。
「2025年問題」とは、団塊の世代といわれる人たちが後期高齢者となるため、超高齢社会になることが予測されることです。
そのため、訪問看護の需要の拡大も見込まれます。
訪問看護ステーション数はここ12年間で2.5倍になっており、2022年の時点では、14,304カ所となっています。
訪問看護師の仕事の内容
訪問看護師の仕事の内容をご説明します。
訪問看護師は利用者のみならず、利用者の家族のサポートや医師、介護事業所との連携も大切です。
1.利用者の看護
病状や健康状態の観察、医療処置、服薬管理、リハビリテーション、ターミナルケア、精神的ケア、生活支援・相談などを行います。
利用者によって生活環境や病状が異なるので、1人1人にマッチした看護を提供します。
2.家族への支援
家族が普段の生活で困っていることはないかを聞き出し、必要な指導や支援をします。
・介助の方法、食事メニュー、皮膚のケア方法、家族が行う処置などのアドバイス
・家族の精神的な支援、相談
3.多職種の人との連携
個人訪問が多い訪問看護師は、1人でできることが限られているので、さまざまな職種の人との連携が重要です。
たとえば、以下のような職種の人との連携をはかります。
・主治医
・薬剤師
・ケアマネージャー
・介護員
・病棟看護師
・作業療法士
訪問看護師の1日スケジュール
訪問看護師の1日スケジュールの例をご紹介します。
・9:00 出勤:当日の訪問予定やメールチェック、ミーティングでの情報共有など
・9:30 利用者宅訪問:滞在時間は30分~1時間、午前中の訪問件数は1~3件
・12:00 ステーションに戻り昼休み
・13:00 利用者宅訪問/会議:午後の訪問件数は2~3件
・17:00 ステーションに戻り訪問の記録や訪問介護計画の作成・更新
・18:00 退勤
訪問看護師のやりがい
訪問看護師の仕事はどのようなやりがいがあるのでしょうか。
3つの大きなやりがいをご紹介します。
1.利用者と向き合える
訪問中の利用者とじっくり会話ができるのが訪問看護師の特徴です。
会話や看護を通して、利用者さんと信頼関係を築くことができます。
2.スキルを高めることができる
たとえば以下のようなスキルを高めることができます。
・コミュニケーションスキル
利用者と対面することでコミュニケーションスキルを高めることが可能です。
・アセスメント力、判断力
一人で訪問するため自力で判断する力がつきます。
・多職種と連携するスキル
他職種と関わりが多いので、連携するスキルを高めることが可能です。
3.利用者や家族に寄り添った看護ができる
利用者や家族から感謝の言葉をもらったり、喜んだ姿を目にしたりすることで、看護師としてのやりがいを感じるでしょう。
訪問看護師の悩み
逆に、悩みとしては以下の3つがあります。
1.オンコール体制がある
訪問看護ステーションは通常24時間営業で年中無休の状態です。
いつ何時、緊急のオンコールがかかってくるか予想ができません。
2.1人で判断し対応しなければならない
訪問看護は基本的に1人で行うため、何事もすべて1人で判断し、対応しなければなりません。
特に、新卒でまだ経験が浅い看護師の場合、判断に迷うことが多いでしょう。
3.臨機応変な対応が求められる
利用者の自宅には医療物品が用意されていません。
自宅にあるものを、臨機応変に工夫して対応する必要があります。
また、急変時は、医師への連絡や救急搬送の依頼、家族対応などを1人で行わなければなりません。
訪問看護師になるための資格や望まれるスキル
訪問看護師になるためには、どのような資格が必要なのでしょうか。
また、望まれるスキルにはどういったものがあるのでしょうか。
1.必要な資格
看護師資格や准看護師資格があれば問題ありません。
この2つの資格以外は不要です。
2.望まれるスキル
2-1.コミュニケーションスキル
小児から高齢者まで幅広く対応しなければならないので、年代を問わず対応できるコミュニケーションスキルがあるとよいでしょう。
2-2.看護知識
訪問看護で対応すべき範囲はとても広いうえに難病の方も多いので、幅広い看護知識が求められます。
日頃から看護知識の習得に努めることが大切です。
2-3.運転免許
地方で訪問介護を行う場合、自動車を使って移動することが多いため、自動車の運転免許を所持している方がよいでしょう。
まとめ
訪問看護師の仕事は、病院などでの看護と違い、1人1人の利用者に寄り添って、その人らしい暮らしができるようにサポートするものです。
そのため、とてもやりがいのある仕事です。
しかも、2025年問題という超高齢社会が迫っていることもあり、訪問看護師の需要はますます高まっていくことでしょう。
介護関係の職種に従事する人や、これから介護職に就こうとうという人、あるいはみずから学ぶ姿勢のある方は、ぜひとも訪問看護師を目指してみてください。